みちねえ

みちねえのかっこよさを折に触れ思い出す話をします。
 
無理に教訓めいたり私もがんばろうって結論にしなくてもいいんだけど、
子供心にあれは感動したなぁ。という話。
 
小5の私と中2のみちねえは、同じ習い事に通っていました。
春休み、小学校高学年~中学生の男女が総勢十数名かなぁ
習い事の先生が引率してくれて、北海道へ。
 
夜、みんなで大富豪か何かのトランプゲームをしたのだけど、
がきんちょばっかりだし、事前にちょっとしたローカルルールの違いをちゃんと共有できていなくって、
みちねえは、もうすぐ上がりという段になったところで、周りから「えーーそれはこういうローカルルールに基づいて、反則だよー!?」と言われ、えぇ、そんなん知らないよ~!?ってなりながらも、その場ではそのローカルルールが多数派だったのかな、反則負けであがりになった。
 
そのすぐあと、私も別のローカルルールにより同じように反則負けになりそうになって、悔しいやら納得いかないやらで「でも知らないもん」ってつぶやいたら、ある子が「でも、みちねえだってさっきそれで負けになったじゃん!(君だけ見逃すなんてしないよ)」って言ってみちねえをみた、たぶん同意を求めてそちらをみた。
 
そしたらみちねえは、「別にいいんじゃない?」って言った。「それは負けじゃないことにしてもいいんじゃない?」って何でもなく言った。
 
それで、「ジュースでも買ってくるかな・・・」って腰をあげたから、私はもう勝負なんかどうでもよくなって、一緒に立ち上がって、みちねえについていった。
みんながいないとこで、ありがとうねって言った。
どうして、自分のときはだめだったのに、私のときは別にいいんじゃないって言ったの?って聞いたら、自分みたいな思いをするのは自分だけでいいかなって、と言った。
 
私はといえば、たとえば自分がちょっとしたことで先生に理不尽な怒られ方をしたとして、それと同じことを他の子がしていたら、率先して先生に告げ口に行くような最低な子だったので、
そんな風に言われたことがほんとうに驚きだった。みちねえにとっては全く当然のことだったかもしれないけど、
すっげー、かっけー・・・っておもった。
 
それで完全になついてしまって、私は北海道旅行中ずっとみちねえにくっついてまわってたけど、
まぁ何せ根が最低な私ですので、たぶん無意識に自己中な振る舞いをして迷惑だっただろうな、ちょっと困った顔はしてたもんな、でも無碍にされた記憶は一つもないな。という思い出が残っています。
 
自分の受けた理不尽を他の人は受けないように働きかけるのって、私にとっては難しいけれど、うまくできないけれど、大事なことでできるようになりたいと思うから、こうやって時々思い出すんだろうなぁ。
みちねえ、元気かなぁ。